コールセンターでキャリアアップするには?

  • コールセンターでの仕事を始める前に、または現在コールセンターでの仕事に就いている方で、将来性や今後のキャリアプランが気になる方はいらっしゃるでしょう。またコールセンターの仕事が将来どのように生かせるのか、コールセンターでのキャリアパスやメリットなどについて総合的に紹介していきます。

    そもそもコールセンターで正社員になれるのでしょうか

    実はコールセンターで働く正社員は少なく、アルバイトに比べ正社員募集の求人はほとんど見かけないでしょう。 では、実際にコールセンターで働いている雇用形態の割合について見ていきましょう。

    • 正社員:8%
    • 派遣社員:13%
    • 契約社員、アルバイト:79%

    一番多いのが【契約社員、アルバイト】79%と比べ、【正社員】はわずか8%と一番少ないのが分かります。 なぜ、コールセンターの正社員は少ないのでしょうか。

    実は、コールセンターでは「アルバイトやパート、契約社員、派遣社員から正社員登用を行う」という形を取り入れている企業が多いのです。そのため、正社員の求人よりもアルバイト・パートなどの求人数が多くなります。

    コールセンターの正社員になるには2通りあります

    正社員募集の求人を探す

    コールセンターの正社員募集の求人は少ないだけで、全くないというわけではありません。コールセンターの求人を多く扱っている求人サイトで正社員に絞り、積極的に応募してみましょう。まだ学生の方は、新卒採用という手段もあります。

    正社員登用ありの求人を探す

    「正社員登用制度あり」の求人に応募し、アルバイトや派遣社員から目指すのが、最も効率的なやり方です。正社員の求人を探すより数が圧倒的に多く、「正社員登用制度あり」の求人でアルバイトから始めたほうが早く正社員になれることもあります。

    アルバイトから正社員までのキャリアパス

    オペレーター、アポインターから始める

    コールセンターで働く場合、最初はオペレーターやアポインターからスタートします。コールセンター業務において、電話での応対スキルは欠かせません。そのため、言葉遣いや基本的な電話対応スキルを学ぶ必要があります。日々の電話応対経験を通して、商品やサービスの知識を深めると同時に、コミュニケーションスキルやパソコンスキルも上がっていきます。

    コールセンターは、アルバイトでも個人目標を設定されているので、オペレーターやアポインターは個人目標に対して、結果を出すことを求められます。 オペレーターは問い合わせやクレーム内容などお客さまの声を聞いて、問題解決へ導くことが業務内容です。アポインターは営業の目標数値を追い、会社の業績へつなげていくことが必要です。 ノルマや目標があるという点は大変ですが、その反面、ファッションや髪型の自由度が高く、自身の都合に合わせたシフトで効率よく働けるのがコールセンターの魅力です。

    また、アルバイトでもシフトを組んで仕事をするので、業務に支障をきたすことは避けなければなりません。安定して出勤することが自分の信頼にもつながってきます。

    リーダー

    オペレーターの次に目指すのは、リーダーです。 雇用形態はオペレーターやアポインターと同様にアルバイトや派遣社員であることが多いです。役割はオペレーターやアポインターの見本となれるよう行動することです。最大限に電話スキルを発揮しながら、10人程度のチームを任されます。新人教育やオペレーターが困っているときに助けること、担当チームが目標に向かって業務できるよう進捗確認し、サポートすることが業務内容です。簡単なクレーム対応も行います。

    またSV(スーパーバイザー)のアシスタントとしても現場で困っていることを上位職に報告する役割もあります。業務全体の流れを理解したうえで、的確な行動ができることが求められます。 また空いている時間はオペレーターと同じように電話応対もこなします。

    SV(スーパーバイザー)

    リーダーの上位職がSV(スーパーバイザー)です。一般的には正社員となります。 スーパーバイザーは自分が携わるプロジェクトの責任者であり、チームの管理者です。個人としてより高いスキルだけではなく、管理者としてのマネジメントスキルも必要です。多くのオペレーター、アポインターを管理していく立場になります。 新人の研修を担当し、オペレーターがクレーム対応など困ったときに、より高いコミュニケーションスキルが求められます。オペレーター一人ひとりの目標進捗を管理し、教育していきます。シフト調整や面談等も行っていきます。マニュアルやトークスクリプトを考えるのもスーパーバイザーの仕事の一つです。

    アルバイトと正社員では大きく役割が変わってきますので、スーパーバイザーはいかにアルバイトスタッフをまとめていくかが重要となります。 また、常に問題意識を持ち、自ら進んでチームを導き、向上させていく必要があります。次のセンター長を目指すためにも、全体の収支を理解し、経営者意識をもって業務を行うことが求められます。

    マネージャー、センター長

    マネージャー、センター長はコールセンターの最高責任者です。すべてのシステムとスタッフに対して、管理監督の役割があります。また会社の利益を考えながら業務を進めることが求められます。 お客さまからのクレームなど、日常で起こる様々な課題を迅速に解決します。お客さまの購買意欲を高め、目標数値を達成するアクションを起こします。スタッフの採用に携わり、一人ひとりのスキルを的確に把握したうえで、研修、人材育成プランを考えます。研修内容を定め、マニュアル、トークスクリプトを日々更新していきます。

    またクライアントや会社の経営戦略に沿って、コールセンターの方針を決めていきます。決めた方針をコールセンター全体で目標に向かって行動できるよう導く必要があります。日々起きる大きな課題、小さな障害に対処することが必要となります。利益とお客さま、スタッフの満足を追求していく役割にあります。 責任が重くなる分だけ、収入は上がっていきます。

    スーパーバイザーになるとメリットは2つあります。

    正社員になれる

    正社員になると、報酬面でアルバイトとは大きく違います。コールセンターのアルバイトも他の仕事に比べて時給は高いですが、正社員になればさらに安定して報酬が得られ、手厚い福利厚生も受けられます。例えば、

    • 昇給・賞与
    • 有給休暇
    • 扶養手当
    • 退職金制度

    などの福利厚生が正社員には用意されています。 スーパーバイザーの平均年収は地域によって差はありますが、30代で490万得ることもできます。さらに上位職のマネージャー、センター長になれば年収800万超えることもあるでしょう。

    (参考:転職会議 https://jobtalk.jp/salary_matome/jobs/52 )

    管理者としての経験がつめる

    コールセンターの業務では、日々お客さまと電話のやり取りが欠かせません。業務を通じて多くのスキルを身に着けることが出来ます。また多くのスタッフを管理する立場にあるので、マネジメントスキルも身に着けることが出来ます。それでは、身に着けたスキルはどのように役に立てるのでしょうか。

    事務職

    日々お客さま応対で身に着けられる電話マナーやコミュニケーションスキルはどの事務職に転職しても活躍できるでしょう。 コールセンターではお互いの顔が見えない状況で、お客さまの要望を把握し、声だけで解決することを求められます。さまざまなお客さまの対応をするうちに培われた調整力や会話力は即戦力となるでしょう。仕事だけでなく、プライベートの役にも立ちます。 電話で会話しながら情報をパソコンに入力していくので、情報処理能力、ブラインドタッチなどパソコンスキルも自然と身についています。

    営業職

    営業職では、学生時代にコールセンターでアルバイトを経験していた人がたくさんいます。営業では特にコミュニケーションスキルが重要視されます。コールセンターで培われた専門知識やセールストーク力が役に立つでしょう。 またコールセンターで目標を決めて、数字を追っていた経験も営業の仕事でストレスなく発揮することが出来ます。 コールセンターでアポイントを取ることを楽しめた人には、営業職は天職に感じます。新規開拓するときには、日々多くのお客さまと会話した経験が活かされるでしょう。お客様の話をじっくりと聞いて課題解決をすることが得意な方は保険の営業にも向いています。

    SV(スーパーバイザー)以上の役職ついていた人には、コミュニケーションスキル以外にもスタッフに対して、リーダシップを取っていた経験も役に立つでしょう。マネージメントをしていた経歴はどこの企業でも欲しがる人材です。 コールセンターで正社員を目指すことは電話対応スキルや運営にとどまらない、ビジネスマンとしての重要な能力を磨いていける業界です。 短期アルバイトとしてコールセンターを選択しても、給与面、シフトなどの待遇、服装髪型自由、スキルが身につくなどメリットはたくさんあるでしょう。