コールセンターの平均時給

  • コールセンターといえば、高収入。特別高いスキルを持ってなくても、過去に経験がなくても、気軽に始められるのが魅力です。今回はコールセンターの時給の相場がどれくらいか、そしてなぜ時給が高いのかを紹介していきます。

    一般的なパート・アルバイトの平均時給

    株式会社リクルートの調査研究機関「ジョブズリサーチセンター」が2021年5月度に調査した「アルバイト・パート募集時平均時給調査」を見ますと、このようなデータがありました。

    コールセンタースタッフ
    地域 時給(円)
    首都圏(東京都・神奈川県・千葉県・埼玉県) 1383
    東海(愛知県・三重県・岐阜県・静岡県) 1197
    関西(大阪府・兵庫県・京都府・奈良県・滋賀県・和歌山県) 1379
    三大都市圏(首都圏・東海・関西) 1373
    テレフォンアポインター
    地域 時給(円)
    首都圏(東京都・神奈川県・千葉県・埼玉県) 1422
    東海(愛知県・三重県・岐阜県・静岡県) 1225
    関西(大阪府・兵庫県・京都府・奈良県・滋賀県・和歌山県) 1409
    三大都市圏(首都圏・東海・関西) 1401
    職種全体
    地域 時給(円)
    首都圏(東京都・神奈川県・千葉県・埼玉県) 1137
    東海(愛知県・三重県・岐阜県・静岡県) 1007
    関西(大阪府・兵庫県・京都府・奈良県・滋賀県・和歌山県) 1079
    三大都市圏(首都圏・東海・関西) 1091

    全体で60職種から集計しています。 首都圏で比較したときに、職種全体が1137円だったのに対して、コールセンタースタッフは1383円で、246円高いです。テレフォンアポインターは1422円であり、職種全体より285円高い結果が出ました。

    時給の高かった職種について見てみると、1位は看護師の1744円、2位はキャンペーンスタッフの1606円、3位は歯科衛生士・歯科技工士の1534円、4位はテレフォンアポインター、5位がイベントスタッフの1399円、6位がコールセンタースタッフの順位で時給が高くなっています。

    コールセンターより高い時給のお仕事はありますが、専門的な知識が必要であったり、イベントスタッフのような一時的な仕事であることが分かります。 コールセンターはそのような職種に比べると高度な専門知識が必要なく、どなたでも始めやすいお仕事です。スキルゼロ、未経験からでも始められるお仕事としては、非常に高時給ですので、賢く稼げます!

    コールスタッフの時給が高い理由

    コールセンターやテレフォンアポインターのような電話応対の仕事は、特別なスキルが必要ではないのに、未経験でも時給1200円スタートという求人もあります。最低でも1000円以上の仕事は簡単に見つかるでしょう。では、なぜ時給が高いのでしょうか。主な理由は4つあります。

    企業の顔である

    コールセンターでは、顧客や見込み客と電話を通じて、利益拡大、企業のブランドイメージの向上などの役割も担っています。コールセンターの対応でお客さまが企業に持つイメージが変わってしまうことから、近年では重要な部署として認識され始めています。

    あなたも、『電話だけでは伝わらない…』という、もどかしい経験があるのではないでしょうか。 コールセンターでは、音声だけでお客様の悩みを解決します。 どんな状況で、何に困っていて、どうすれば解決するか、電話の会話でしか確認できません。 対応する電話によっては、お客さまが怒っていたり、慌てていたりして、まともに会話ができないこともあります。

    しかし、どんな状況であっても、お客さまの悩みを解決することを求められます。

    逆に、“今まで気づけなかった本当に欲しいものやサービスを知れた”としたら、どうでしょうか。テクニカルサポートで悩みを解消しただけでなく、より便利な性能を知れたとしたら、どうでしょうか。お客さまに満足だけでなく、感動も提供することで、企業の株も上がるでしょう。

    コールセンターは顧客満足度を向上させたり、企業のブランディングや事業活動に役立てたりするため、時給が高く設定されています。

    覚えることが多いから

    コールセンターでは実際にデビューするまでに様々な知識を覚える必要があります。特に問い合わせ窓口やカスタマーセンターでは、電話に出るまで相手が何を求めているのか、わかりません。電話をかけてきたお客さまはコールスタッフをプロだと思って、さまざまな質問を投げかけてきます。電話にでたら、問い合わせ一つひとつに適切に受け答えすることを求められます。

    研修でひと通りの知識を詰め込みますが、日々新しい情報がアップデートされていくのがコールセンターです。長く勤務している人は知識を蓄積していくことができますが、経験が短いスタッフにとっては覚えなければならない知識量は膨大なものです。企業によっては研修が1か月間つづくところもあり、この時点で辞めてしまう方も一定数います。

    覚えることが多くなる分、時給が高くなる傾向にあるようです。 全てのことを覚えるのは、ベテランの方でも把握できていません。わからないことがあっても、その都度調べれば解決できるので、覚えるよりもどこを探せば解決方法が見つかるのかという調べ方を身につけましょう。 また研修である程度知識を覚えても、現場で覚えた知識を使いこなせない場合があります。お客さま対応を経験していくにつれ、自然と知識が身についていくので安心してください。

    離職率が高いから

    コールセンターは、人の入れ替えが激しい職場もあります。 特別な知識やスキルなく、未経験でも始められるコールセンターですが、向き不向きがあります。

    コールセンターには事前研修やマニュアルがしっかりあり、手厚い教育が行われます。しかし、手厚い教育を行った企業によって、採用した人が早々に辞めてしまうことがあります。採用費用や研修費用ばかりが損失となってしまいます。

    また、辞めてしまう人が多いと人手不足になってしまうため、急ぎで募集をかける必要があります。急募なので、迅速に人を集めるために企業が競って時給を上げてきたことも要因の一つでしょう。 採用された人が不満に思わないような時給を出すことで長く職場に定着させたいと考えています。勤務年数が長いスタッフがいる分、スタッフの知識やコミュニケーションスキルが高くなり、お客さまの満足度をあげることができるでしょう。 離職率が高くないコールセンターももちろんありますので、自分の適性や向き不向きを見極めて、賢く稼ぎましょう。

    ストレスがかかりやすい

    アウトバウンドの場合、チームや個人ごとにノルマを設けている企業があります。研修後にデビューしてから3か月以内にアポイントを取り、結果を出すことが出来なければ、契約を切られる、時給が上がらないというのも聞いたことがあります。

    営業電話がかかって来て、応じてくれる人はなかなかいないでしょう。研修通りに対応しているのに成績が上がらなければ、「求められている仕事ができない」と自己嫌悪に陥ってしまうこともあります。

    インバウンドの場合、電話が一日中鳴り止まないことがあります。覚える情報量が多いにも関わらず、電話をかけてきたお客さまは早期解決を求めています。スピード感を求められる一方で、クレームなどお客さまとのやり取りに心が疲弊してしまう方もいます。決してオペレーター自身へのクレームではありませんが、謝罪を繰り返していくうちにストレスを感じてしまう方もいるでしょう。

    気持ちの切り替えがうまくできない人は、次の電話にも影響してしまい、引きずってしまいます。 ストレスがかかる分、スタッフ同士は仲がいい職場が多いようです。

    近年では、在宅コールセンターが急増しています

    自宅に居ながら業務を行えるのが在宅型コールセンターです。育児や介護などの理由で通勤ができない、自宅から駅や勤務地が遠くて通勤が難しいなどスタッフでも、パソコンとヘッドセットがあれば在宅ワークとして勤務できます。通勤時間を減らすことで時間を有効的に使うことが出来ます。地方にいながら高収入を得ることが可能です。 研修は会社に行かなくてもオンラインで受けることが出来ます。未経験の方でも始めることが出来るようにサポート体制に力を入れている企業も多いようです。

    在宅型コールセンターの報酬形態は2週類あります。成果報酬型と時給型です。 在宅コールセンターの雇用形態は多くの場合「業務委託」になります。 業務委託は、パートやアルバイトとは異なり、ワーカーが「個人事業主」として企業と契約する働き方です。 直接雇用では企業側に社会保険料などの経費が発生します。 しかし、業務委託ではそのコストを節約できるため、中小企業や零細企業は社内にコールセンター部隊を持たず外注することができます。

    成果報酬型はアウトバウンドの報酬制度に多く、電話をかけた数や獲得したアポイント数で報酬が決まります。コツを掴むまでは稼ぎにくいですが、スキルや商品知識が向上すると即給与に反映される点が魅力的です。経験者には有利でしょう。

    時給型はインバウンド、アウトバウンドともに求人があります。アウトバウンドの場合、アポイントが取れたら追加でインセンティブが発生する企業もあります。

    成果報酬型、時給型にかかわらず、時給1000円前後を目指すのが相場といえるでしょう。

    コールセンターの仕事は、高収入の半面、向き不向きがあります。 自分の適性を見極めて、仕事がしやすいコールセンターを探しましょう。覚えることが少なく、クレームが頻繁に来ないコールセンターはあります。 仕事が合う人には、コールセンターの業務はメリットだらけです。